2012年8月22日水曜日

指を鍵盤につけたまま限りなく素早く下げると大きな音が出る

この間からしきりにツェルニーの話を書いてますけど、実質的には脱力の練習になってます。

で、脱力できている状態とはどういうものか、理想の姿、あるべき姿みたいなものを想像しながら練習してるんですが、

これまた「腕が5本あったらどんな風に弾けるんだろう」とか「脳が四つあったら平均律のフーガが楽々と弾けるのかな」レベルの、本当に想像上の存在みたいな、とりとめもない世界に突入していくわけです。

ところが先日、いいかげんに弾きながらハンマーが弦にぶつかるのを眺めてて思ったんですが、

ピアノの音の大きさって、ハンマーが弦にぶつかるスピードで決まるんですよね。

ということは、音の大きさは、キーが下るスピードで決まるわけで、別に特別な腕力とか指の筋力とかがいるわけではなくて、

どれだけ素早くキーを下げられるかで音の大きさが決まると。
指を押す力ではなくて、スピードとか瞬発力とか俊敏性とかが大事であると。

指先に腕の重みをかけるとかかけないとかはさておいて、指を限りなく素早く下に動かすことを意識しましょうと。

こういうことは今までにもあちこちで見聞きしましたし、先生にも何度も言われたような気がしますが、何か初めて実感できたような気がして、
試しに指を鍵盤にくっつけたまま指を思いきり素早く振り下ろしてみました。

すると、自己最高記録クラスの大きな音が出まして。

それでいながらとてもラク。
まるで自己催眠をかけているかのように腕がだんだん重くなってきて、指先の感覚が徐々に敏感になっていって。
あ、今の4はちょっと浮いてたな、とか、今の2は良かったけど3がイケてなかった、とか。

もしかしてこれが脱力というものかな、と。
もしかして今、自分は悟りをひらいているのではないかと。
もしかして今、自分に後光が射しているのではないかと。

そのように感じまして、しばらくピアノに触ってませんでした。
せっかくの悟りが夢、マボロシだったら悲しいので。

ところが、今日やってみましたら。
夢、マボロシではありませんでした。

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