2011年7月21日木曜日

「ニュルンベルグのマイスタージンガー」の五重唱

唐突ですが、ワーグナーが好きです。

でもどういうわけか「さまよえるオランダ人」は一回聞き流したことしかなかったり、など色々「好き」というには不備が多かったり。それでいて「全部聴いてやる!」と発奮したりすることもなかったり。
ちょっと曖昧なお付き合いなのです、ワーグナーさんとは。

それに加えて、ワーグナーの有名録音とか有名録画というか、は大量にあって、全部追いかけると金が幾らあっても足りない。

なんといってもオペラが有名なので、有名演出家の名舞台、または有名指揮者の名演奏を全て網羅しようと思うと、一体どれだけのCD/DVDを買わないといけないんだか…。
DVD出現の前はLDを買うしかなかったですし、これがまた高かったんですよね…。

その上、熱心なワグネリアン(=ワーグナーを崇拝する人々)は、毎年夏に行われるバイロイト音楽祭(ワーグナーのオペラしか上演しない狂信的なお祭り)のチケットを求めて争奪戦を繰り広げるんだとか。
バイロイト音楽祭はワーグナーが設計した専用劇場で行われるんですが、空調が効かなくて暑いし、椅子は固いし、どのオペラも2,3時間は平気でかかるし、それでいて正装(男はタキシードなど。女はイブニングドレスなど)を求められるので、只でさえでも暑苦しい、で地獄の苦しみなんだそうです。

ワグネリアンというのは、マゾ体質でないと務まらないんですねえ…。
私はCDでいいです…。

それも、もっぱら愛聴するのは

バーンスタインの「トリスタンとイゾルデ」
(どういうわけか名盤の誉れ高いクライバー盤は何度聴いても聞き流してしまう)
カラヤンの「パルシファル」
(クナッパーツブッシュ指揮バイロイトライブ録音が名盤だそうですが何度聴いてもイマイチぴんとこない)
クーベリック&バイエルン放送響の「ローエングリン」
カラヤンの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」

くらいです。
他に好きなのもあるんですが、あまり登場回数が多くないので省略。

で、上の四つなんですが、最初の二つと後の二つは、好きなところがキッパリ違う。
「トリスタン…」にしても「パルシファル」にしても、基本的に独唱なんですよね。
でも「ローエングリン」や「マイスタージンガー」の一番美味しいところは、どういうわけか独唱じゃない。

ここでやっと本題に入るんですが、「マイスタージンガー」で一番好きなのは、CDの4枚目の冒頭の五重唱なんです。
これ、実はあんまり筋立てを理解してないので、どう書けばいいのか分からなかったんですが、"マイスタージンガー 五重唱"でググってみると、どうも第三幕第四場らしい。この五重唱には「私の幸せに太陽が」という名前がついているらしい。
この五重唱がもう最高で、めちゃくちゃ盛り上がるんですよねえ。これくらい惹きつけられる合唱は、他には「リゴレット」の四重唱くらいしか思いつきません。
で、ちょっと一息ついたところで、また徐々に盛り上げてラストに向かってなだれ込んでいくんです。この辺りの流れは、本当に堪りません。


そういうわけで、「ワーグナーが好き」というよりは「カラヤンのマイスタージンガーのCD4枚組セットの4枚目の冒頭から最後までが好き」とか、そんな虫食い状態のかけらみたいなのがあちこちに散らばってるんで、一息に「カラヤンが好き」とか「ワーグナーが好き」とか言えないのが悩みです。

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