喜んだのもほんの束の間、カセットテープを買おうにも乏しい小遣いではなかなか思うように買えませんでした。
父親に訴えると、要らないテープをくれました。
何か録音してあるので、とりあえず全部聴いてみました。
ジャズとかクラシックとか、色々あったな。
興味を惹かれたのは上書きしないでとっておき、時々聴きかえしました。
飽きたら録音用にまわしました。
そんな風にしてしばらく経つと、上書きされずに残ったテープがありました。
青いプラスチックのケースに白いカセットテープが2本入っていて、テープのラベルには「スタンゲッツ」と走り書きがありました。
なんかピアノ曲なんですけど、作曲家も演奏者も分からない。曲名も知らない。
どう聴いてもジャズには聞こえないので、少なくともスタンゲッツじゃないことは見当がつきましたが、どういうわけかそれ以上のことは知ろうという気が湧きませんでした。
その問題のテープに入っている曲の名前が分かったのは、働いて自分でなんでも買えるようになって、CDを集めだしてから。
このテープはベートーヴェンのピアノソナタ集でした。6,7,30,31,32番。
曲名が分かった時はめっちゃびっくりしましたね。
だって、月光とか悲愴とか熱情とかを書いた人とは全く思ってませんでしたもん。
全然似てないじゃないですか~。
こんなの言われないと分かりませんぜ。
それに、一つの連作だと思ってた曲が、実は第30,31,32番の三つのソナタだと判明した時にもびっくりしました。続けて聴くと、全然切れ目がないように聞こえるんですが、そう思うのは自分だけでしょうか。未だに第31番が独立したソナタという事実に抵抗を感じます。
いや、それにしても第6番は好きだな。
この曲を聴くと、土曜の午後の窓から射し込む明るい陽射しを思い出します。
やっと週末が来たー!という開放された気持ち。
第7番も好きです。どっちも弾いてみたい。
となると、現在進行中の8番を入れると弾きたい曲は合計6曲というわけで、
こんなにも自分がベートーヴェンラブだったとはつゆ知らず。
←こうやって書き出してみると、自分の意外な一面が浮かんできたりするのが面白いです。
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