2009年10月7日水曜日

1Q84あっという間に読了

いやー、こんなに面白い小説、久々に読んだなー。
エンタテイメントとして練れているし、文章は更に上手くなってるし、結末に向かってぶれることなく突進していくし、クライマックスは大いに盛り上がるし、もう何も言うことないです。

冒頭の温室が出てくるシーンは、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」(訂正。「大いなる眠り」の間違いでした)のオマージュだと分かりましたが、他は全然分かりませんでした。でものっけからこの調子なんで、きっと他にも色々オマージュがあるんでしょうね。もう既に1Q84研究本が何冊か出てるんで、きっとそういう本では詳細な解説が書いてあるんだろうと期待します。
チャンドラーとかカフカとかP.K.ディックとかと比べてる人がアマゾンレビューにいましたが、私は神林長平の「猶予の月」を連想しました。

以下ネタばれ。
・父親のベッドで空気さなぎが出来るっていうことは、天吾はこの時パシヴァになってたんでしょうか?それとも父親がパシヴァだったんでしょうか?
・空気さなぎの中にいるのは天吾の母親だと予想してたんですが、思いっきり外れました。
・Book3で青豆さんのドウタが出てきたら面白いんですけど、それは無理かな?
・ふかえりと天吾が反リトル・ピープルとして存在を続けるなら、1Q84は「リーダー」を失った以後、リトル・ピープルは誰を通路とするんでしょう?世界がバランスを保つためには、リトル・ピープル側の人間がいないといけないと思うんですが…。
・Book1第14章309ページで、小松が
「読者は月がひとつだけ浮かんでいる空なら、これまで何度も見ている。そうだよな?しかし空に月が二つ並んで浮かんでいるところを目にしたことはないはずだ」
と言っています。この言葉と、後の天吾の行動から、小松と天吾は元々1984の住人だったことが分かります。「空気さなぎ」の中で月が二つに分かれる瞬間を述べているふかえりも同様です。さて、この伏線はBook3でどう続くんでしょうか?
・青豆が「空気さなぎ」の本を手に取ったとき、その本が天吾が関わったものであることを知っているのですが、何で知ってるんでしょうか?ごく一部の人間が必死に隠している秘密なのに。
・1984年にマッキントッシュのカーオーディオってありましたっけ?マッキントッシュが何年からカーオーディオを始めたのかちょっと調べたのですが分かりませんでした。

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