トム・フォードの話は、年内はこれで終わり、と書いて早数ヶ月、依然として書きまくってますが、今日もトム・フォードの話です。ごめんなさい。
先日のオーダー会の時に、既に買ったリージェンシーモデルのスーツを、今回の採寸の結果を反映させて補正することが可能、と言われた話を書きましたが、今日はその補正の為にリージェンシースーツを持っていきました。
ちょっと気を使って、もう一着のトム・フォードのスーツを着て。こちらはバッキンガムモデル。
で、背中の余ってる分とか、袖の背中側のたるんでる部分とかを、試着室で着て鏡を見ながらピン打ちしてもらい、まあパンツの方はあんまり気になる皺がないので、じゃあジャケットだけお願いしますと言って渡したのですが、
あれ、鏡を見ながらピン打ちするんだったら、別に前回の採寸の結果とは関係なくない?
今日着てきたスーツも直してもらえるんではない?
と思い、聞いてみたら、出来るとの返事だったので、バッキンガムモデルのジャケットもピン打ちに。
このバッキンガムは、以前にもチラッと書いたのですが、首周りがちょっと大きいこと、肩幅がちょっと広すぎること、袖がちょっぴり長すぎることがずーっと気になってたのでした。要するにちょっとサイズが大きいんですよね。
背中のたるみを取るのとは違い、首周りや肩幅の修理となると、かなり沢山の部分をほどいて縫い直す大修理になっちゃいます。
そんなの無料でやってくれないよな、凄く高い修理代になりそう、と思って幾らかかるか尋ねたら、なんと無料とのこと。
なぜ無料なのか、と聞くと、こんな話をしてくれました。
先日のオーダー会で採寸をしていたイタリア人が、手の空いた時にこう言ったそうです。
何人かの客がトム・フォードのスーツを着てきたが、サイズが合ってない人が多い。これでは、お客さんが他のブランドの店に行ったとき、お客さんも恥をかくし、トム・フォードも恥をかく。サイズがきちんと合うように修理をしてから客に渡しなさい。
服の販売員って、多少サイズが合ってなくても無理やり売りつけるのが普通だと思ってたのですが、イタリアじゃ違うみたいです。
ビバ、プロ根性、職人気質。
←販売員がみんなそういう人だったらいいのに
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