2009年8月29日土曜日

金子哲雄「超三流主義」

なんでこの本に興味を持ったのか、よく思い出せませんが、確か「シンプルライフ」とか「節約」とかで検索してたら出てきたような気がします。

で、アマゾンの書評とかを読んでいて、強力に読んでみたくなったので、買ってしまいました。
なんせ、サブタイトルが、
「清く・貧しく・ゴージャスに!年収200万円で600万円の暮らしを!」
ですから。

この論でいけば、
年収600万円だと1800万円の暮らしが、
年収1800万円だと5400万円の暮らしが、
年収5400万円だと1億6200万円の暮らしが、
ひょっとして出来ちゃったりしちゃうんでしょうか?

1億6200万円の暮らしってどんなんでしょう?
ワクワクして読んでみました。

で、何が「超三流主義」かと言えば、

”日々の節約によって生活費を圧縮し、浮いた金でゴージャスを楽しむ。それが”超三流主義”的生き方”

なんだそうで。

自己啓発本の中には、「自分の能力を上げて年収を上げよう」という目的が往々にして設定されたりしますが、
この本は、真っ向から逆らっていて、
「日本はいずれコストの安い中国・東南アジアの労働者に仕事を奪われる。だったら、少ない元手で目一杯贅沢を楽しむ方法を追求しよう」
という発想から始まっていて、そこが新鮮でした。

しかし、各論になるとなかなか実現が難しくなります。例えば、

”欲しいものを、自分から主体的に決めちゃダメ。人気のないもの、売れ残ったものの中からさらに不人気商品を選んで値切り、安く買ったもの。それを好きになるのが”超三流”の生き方であり、生活費50%オフの極意なのです。”

なんてありますが、生活費って「欲しいもの」じゃなくて「必要なもの」の積み重ねなんじゃないでしょうか?

うーん、ちょっと自分の考えの煮詰め方が甘いのかな?
「必要なもの」だと思ってたものが、実は「欲しいもの」だったりするのかも?

例えば、私の場合、煮物に使う醤油はキッコーマンの淡口と子供の頃から決まっていたので、ヒガシマルの淡口醤油では「なんかこれ変」と思ったりするほど舌が慣れてるんですが、
このこだわりを捨てれば、もっと安く済むのかなあ…

最後まで読んでも、1億6200万の暮らしも600万の暮らしもどういうものかよく分からなかったのですが、「家庭にトヨタ生産方式を取り入れろ」など、考え方というか視点の据え方が面白いです。語り口もうまいし。
この本は立ち読みで済ませようと思ってたのですが、あまりに面白かったので、著者に敬服して買いました。

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