2022年9月16日金曜日

【オーディオ】HQPlayerでDSD1024にアップサンプリングした音が凄い

音楽をPCで聴くようになって随分経ちます。

以前はEsoteric P-0(後にP-0sにバージョンアップ)という高くて重くて大きいCDトランスポートを使っていたのですが、Frieve Audioというアップサンプリング機能付き再生ソフトの音が非常に良くて、P-0(s)は売ってPCに一本化しました。

Frieve Audioは設定ファイルでリサンプリングフィルタのタップ長を上げて設定して4倍アップサンプリングすると音が良くなりました。タップ長を上げれば上げるほど音が良くなるのが楽しくてどんどん上げて、最終的には1677万タップ(2^24-1)まで上がりました。そうなるとPCに相当の性能を要求しますし、音が出るまでの時間が長大です。

あんまり時間がかかるので段々面倒くさくなりFrieve AudioからBug Head Emperorに代えましたが、これも結構時間がかかるソフトでした。その後RoonとHQPlayerの組み合わせの評判が高いので使い始めました。

HQPlayerは音は良いもののユーザインタフェースがしょぼいので、そこをRoonでカバーします。

HQPlayerにはDSD2048にアップサンプリングする設定があるのですが、使っているデジタルアンプTechnics SU-C700はDSD128までしか受けられないので、DSD128にアップサンプリングして聴いていました。

しかし手持ちのDAC兼ヘッドホンアンプiFi micro iDSD BLはDSD512まで受けられるので、これをアンプのアナログ入力に繋ぎ、DSD512で聴いてみました。

デジタルアンプSU-C700はアナログ入力だとADコンバータを経由するのでその分音が悪くなる筈です。

でもやってみたら、アンプのデジタル入力にDSD128を入力するより、DSD512をDACに入れてそのアナログ出力をアンプのアナログ入力に入れた方が音が良かったのです。

もちろんDSD128同士で比べたら、一度アナログに戻してからもう一度デジタルにする余計な手間が発生する為、DACを通した方が音が悪いのですが、DSD512アップサンプリングはそのデメリットを上回りました。

これは朗報です。DACはデジタルアンプよりもずっと技術の進化が早く、かつ安い(物もある)ので、DACが活用できるのなら常に最新デジタル技術を堪能できるわけです。

最新デジタル技術の最先端はDSD2048ということになるのですが、調べた限りDSD2048を受けられるDACというのは未だ無くて、DSD1024を受けられるDACもほんの一握りです。

DSD1024を受けられる(かつ今買える)DACの中ではDenafripsという中国メーカーのAres IIというDACが最安でした。

DACの進化は早いので、気兼ねなくどんどん買い替えて最新技術を楽しもうと思うとあまり高いものは買えません。それに頑張って高いものを買っても「ひょっとして安い物でもほとんど違わない音が出せるのではないか」と疑心暗鬼になって気が休まらないんですよね。まあ全部試聴できれば問題ないのですが、日本ではDenafripsの取り扱いが無いので聴きに行けるところがありません。

最安と言っても10万円を超える物ですし、中国から輸入すること、中国製品であることからトラブルが心配でしたのでしばらく悩みました。

ネットで評判を調べると日本で買ったという人は殆ど見つかりませんでした。ただ海外のレビューでは好評でしたし、特にStereophileのRecommended Components(これ結構信用してます)に載っているというのに後押しされて思い切って注文しました。勝間和代も「迷ったらリスクの高い方を選べ」とYouTubeで言ってましたしね。

最近は円安が激しくて海外製品を買うには時期が悪いのですが、それでも12万円ちょっとで済みました。

中国からの輸入は今回が初めてなのでドキドキしましたが、全く難しいことは無く、au PAYカードを登録したPayPalで支払えました。カードで直接払えるし、その方が有利なレートになるらしいのですが、なんとなくカード情報を出すのは嫌だったので。

土曜日に注文して翌週の木曜日に到着したので、4営業日で着いたことになります。あっという間です。

FedExで輸送されて日本に着いてからはゆうパック扱いになったので、ネットで近所の郵便局で受け取る手配をして無事受け取ってきました。わざわざ配達して貰わなくても済みますし、こちらもいつ来るのかヤキモキしながら待たないで済むので楽ちんです。

中国メーカーだしトラブルはつきものなんだろうなあと恐る恐る音出ししたら、ちゃんと音が出ます。まずこれに感激。

そしていよいよ本題のDSD1024。DSD1024をUSBで伝送するにはUSB3.0でなくてはならない筈とネットで書いている人がいて、Ares IIのUSB入力端子はどう見てもUSB2.0なので音が出るのか心配でしたが杞憂でした。ちゃんと音が出ました。DSD1024で何時間も聴いていますが一度もトラブルはありません。

感想としては、

・音のきつさが取れる

・音の芯がしっかりとしてきて実体感が上がる

・楽器の音がリアルになる

・楽器の音色が美しくなる。良い楽器を使っているんだなということが分かる

・楽器が歌っていることが分かる

・音の透明感が上がる

・音のニュアンスが深くなる

・音がより鮮やかになる

・音の表情(くすんだ音、あいまいな音、クッキリした音等々)がより細かく聴き分けられる

・音のヌケが良くなる

・リズムのキレが良くなる

・臨場感がある

・音場が前後左右に大きく広がる

・録音によっては体が音に包まれるようなサラウンド感がある

・低音に濁りが無くなり、よく締まってタイトになる

・低域が伸びる

・音量を上げても全然うるさくない

といいことずくめです。優秀録音はとんでもなく素晴らしくなり、そうでない録音はそれなりに底上げされます。

DSD512、DSD256、DSD128と下げていくとこれらの特徴が減退していきます。何度か聴き比べてみましたが、やはりDSD1024がベストです。

DSD1024にアップサンプリングしたCD(のような16bit/44.1kHzの録音)の音を聴いていると、CDかハイレゾ音源かという区別にはあんまり意味がなくて、優秀録音かそうでないかという区別があるだけだと思うようになりました。DSD1024だとCDでも優秀録音なら「あれ?これハイレゾだったっけ?」と錯覚するような素晴らしい音が聴けます。ここまで良い音が出るんだったら別にもうハイレゾいらないんじゃないの?と思うくらいです。

かといってハイレゾ音源に意味がないかというと、最近のハイレゾ音源を適当に選んでDSD1024にアップサンプリングして聴いてみたら、これまた度肝を抜くくらい良い音なんですよね。この音はCDからのアップサンプリングでは出せないなと思ったりで色々悩ましいです。

PCはCPUが12900K、GPUがRTX3060です。HQPlayerはフィルターとシェーパー(DSDの場合はモジュレータ)という音質に関する設定があってそれぞれ沢山の選択肢があり、自分の好みで選ぶようになっています。しかしPCの負荷がそれぞれに違い、重い設定だと音飛びしたり、そもそも再生できなかったりします。

今の設定はフィルターがCDではsinc-M、ハイレゾではpoly-sinc-gauss-hires-lp、モジュレータがDSD5v2 256+fsです。まだ全部調べたわけではなくてちょっと幾つか試しただけですが、今のところ音飛びがなくちゃんと正常に再生できて、かつ自分の気に入る音が出る組み合わせです。

今後、CPU/GPUの性能が向上して今は聴けない設定が聴けるようになることを期待しています。そしてできれば価格も下がってくれたら嬉しい。本当のところ、今すぐにでもRTX3090が欲しいのですが高くて買えずにいます。

そしていつかはDSD2048!聴いてみたい!どんな音かワクワクします。

DSD2048が良いのだったらDSD4096はもっと良いのか、じゃあDSD8192はメチャクチャ凄い音が出るのかと言われれば、それもどうかと思います。

このまま倍々にしていけば、音が良くなるのもいつかはどこかで頭打ちになるんでしょう。まさか無限に良くなっていくということはありえないと思います。

しかしDSD256とDSD512の差と、DSD512とDSD1024の差を比較する限り、頭打ちはもうちょっと先になる気がします。

さてDSD2048はどんなにスーパーリアルな音になるんでしょうか。DSD2048対応のDACを今から心待ちにしています。


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2022年8月11日木曜日

同じ曲を1年以上毎日弾いているのに何故飽きないのか分からない

 ベートーヴェンピアノソナタ第30番第1楽章。昨日も書いた通り、この曲を525日毎日弾いています。今日も弾いたので昨日の524日から一日増えました。

こんなに弾いても飽きたという感じが全然しないんですよ。

かといって新鮮味はもう既に無いんですが。

何をこの曲に感じているか、考えてみたんですが何も出てきません。強いて言えば水みたいな感じ。

こんなに飽きないというのは初めてです。大体どんな曲も長くやっているとしまいには飽きて嫌になります。そうやって中途半端なまま投げ出した曲が数知れず。幻想即興曲とか、悲愴第1楽章とか…。

今レッスンでは第2楽章が終わって、第3楽章の主題、第1変奏、第2変奏、第3変奏をやっています。第3変奏はまだまだ全然練習できてません。第4変奏が聞いた感じよりもずっと譜読みが難しくて、第5変奏はもうさっぱりで、第6変奏は一度弾いたら手が攣りそうになりました。

今の進み具合だと、年内に第5変奏に入れるかな、どうかな。まあ、そんな調子でボチボチやってます。


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2022年8月10日水曜日

ピアノを524日間毎日弾き続けた結果分かったこと

 ベートーヴェンピアノソナタ第30番第1楽章を毎日一回は必ず弾く、と決めて今日で524日が経ちました。

全然切りの良い日数じゃないですが、この話を書こうと思いつつ一日伸ばしにしていたので、今日こそ書きます。


演奏を毎日録画しているので演奏時間をグラフにしているのですが、今日現在のグラフがこれ。

こんな感じ。
524日弾いて分かったことは、自分で予想していた以上に指は回るようになるということです。
調子が良くて指がスラスラ動くあまり変に指が回り過ぎて3分22秒というのが最短記録で、いつもは大体3分30~40秒位です。グラフの通り、最近は演奏時間にあまりぶれがなくなり、安定してきました。
グラフの左端は、最初に演奏を録画した時の18分です。そんなにかかっていたことを思うと、よくここまで短縮できたものだと思います。

そんなにスラスラ弾けるようになったのなら、さぞかし自分の弾きたいように弾けるようになったでしょうというとそういう訳でもなくて、最近なんだか「これが自分の求める演奏なのか?」と思うようになりました。

そもそも自分の求める演奏ってなんだろう…?それが何だかよく分からない。最初の頃はアラウの演奏が理想だったのですが、段々それが理想ではなくなってきたんですよね。そしてその代わりがないというのが現状です。

それと、なんだか最近演奏が崩れてきたというか雑になってきました。音の長さがちょっと短くなる箇所があったり、音楽に煽られて妙に走ってしまう箇所があったり。マンネリになって来たんですかね?
その代わりと言う訳ではないんですが、多少間違っても止まらずにすっと流して弾けるようになりました。

とはいえ、未だに引っ掛かってしまい、突然全く分からなくなって元の流れに戻れずに結局最初から弾き直す箇所があります。その箇所だけ練習して再度最初から弾くとちゃんと弾けるのですが、こんなに長くやっていて未だに引っ掛かるのかと不思議に思ったり。

何度も弾き直すのは、大体遅い時間に弾いた時です。朝弾くと非常に快調で大体一発で最後まで通せるのですが、夕方以降に弾くと弾き直しが多発します。夜弾くと大体駄目です。実際眠くて頭が半ば朦朧としていてピアノを弾くどころじゃありません。

じゃあ朝弾けば良いんじゃないかという話ですが、ピアノに向かうのがとにかく億劫なんですよね。
「毎日弾くと決めたんだから」と自分を引っ張ってピアノの前に座るのですが、なかなかエンジンがかからなくて。
こんなに毎日毎日やっているのに、なんで習慣にならないんでしょうね?謎です。毎日弾く時間が違うのがいけないのかな?朝御飯を食べたら弾くという風に決めたらいいのかな?明日の朝からやってみよう。

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2022年8月9日火曜日

発表会で直前の人がめちゃくちゃ上手かった件について

随分間が空きましたが、この話が下書きに残っていたので、とりあえずこれだけ書いておきます。

発表会で、自分の直前の人がショパンのバラード第4番を弾いて、それがめちゃくちゃ上手かったので衝撃を受けたという話を書きました。

後日レッスンの時に先生にその話をしたら、実はピアノを教えていて数人生徒をお持ちの方なんだそうです。

あー納得。

今日はこれだけです。

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2022年2月26日土曜日

発表会無事終了

 発表会が無事終了しました!

ベートーヴェンピアノソナタ第30番第1楽章。一昨年の12月から練習を始めて15ヶ月、やっとひと段落です!

子供の頃の唯一の発表会は暗譜でしたが、大人になってからはずっと楽譜ありだったので、暗譜で発表会に臨むのは四十数年ぶりです。

そういうわけで、今回の発表会の目標は「立ち往生しない」「楽屋まで楽譜を取りに戻らない」です。

自分の出番の前に練習できるよう、無料で練習室を20分間貸してくれるのですが、そこで起こったことが、

「14小節目の左手の二つ目の音が何だったか思い出せない」

でした。

あれ、ソ#とミだったっけ?

違う。

ファとレだったっけ?

これも違う。

シとファだったっけ…?

いや全然違います。

一旦忘れてしまうと、もう最初から弾き直しても、何度トライしても何だったのか思い出せません。

しかも楽譜持ってくるの忘れた!そんな必要はないとたかをくくっていたのが大間違いでした。

幸い自分の出番までにはまだ30分の余裕があったので自宅に戻り(会場が家の近所だったのが泣くほど嬉しい)、楽譜を開いてピアノで確認。

レとシでした。全然違うやん。

とりあえず楽譜を鞄に入れて大急ぎで戻って、そしたら楽屋に入るように言われました。

生まれて初めて入る楽屋。作り付けの机と椅子の前には鏡があって、めっちゃ楽屋っぽい。まあ楽屋だから楽屋っぽいのは当たり前なんですが。

鏡をふと見ると髪が乱れてるなと思い、持ってきた櫛で髪を撫でつけたりして。

楽屋にはモニター代わりのテレビがあって、音も流れます。上手いなこの人。

とか思っているうちに呼ばれてステージ袖で待機。

前の人の演奏が聞こえてきます。これがなんとショパンのバラ4。しかもめちゃくちゃ上手い。何なのこの人、本当にアマチュアなの?聞き惚れてしまいました。この人の後に弾くのかと思うとめちゃくちゃ緊張します。いや、先生、っていうか事務局さん!下手な人から順に並べてくれないと後に弾く人がめちゃプレッシャーなんですけど!

とりあえず立ち往生しないで最後まで完走すればそれだけでいいんだからと自分に言い聞かせます。

ドキドキしながら舞台に上がります。なんかうつむきながら歩いてしまう。

舞台中央ってこの辺かな?と思いつつ適当に止まって適当にお辞儀したら客席から拍手が聞こえました。あ、これで良かったのね。

椅子はトムソン椅子でした。ラッキー。これならいつも選んでいる位置が上から三段目と決まっているので助かります。ベンチ椅子だと高さがいまいちよく分らないんですよねー。

ピアノの型番を見ます。CF-IIIでした。ヤマハか。良かった。スタインウェイだとペダルが妙に浅いのがあって踏み辛いんですが、ヤマハはペダルの踏みしろが長いので分かり易くていいんですよねー。

鍵盤の上をざっと見渡して、演奏途中で気になって止まらなくなる埃とかがないかどうか確かめます。家のピアノで弾くと、本当に埃とか鍵盤蓋に付いているフェルトの出っ張りとかが弾いている途中に気になるんですよね。

よし、埃はないな。

ハンカチで鍵盤の上をざっと払う人たまにいますよね。あれ、カッコいいなと思ってたんですが、事前に心づもりしてなかったんでできませんでした。

椅子の前後位置を確かめて、スーツの皴を直して、さあ弾きましょう。

おっと、このピアノ、鍵盤の沈み具合が浅いしタッチがメチャクチャ軽い!なんだこれ!タッチが軽すぎて指がスイスイ動いてしまう!やばい!指が滑ってる!走ってるぞ!どうどう!ああ!音が抜けてる!何だったか忘れてしまった音を抜かしてしまった!まあいいや!次!次!

いやいや、音を聞かなければ。今コンサートホールで弾いているんだから、せっかくのこの機会、充分に味わなければ。返ってくる音を聞こう。

今まで何回か発表会に出てきて毎回と言っていいほど会場が違ったんですが、全然音が返ってこないとことか、ボソボソした音しか返ってこない会場とかあって、そういうところはめっちゃ弾きにくかったです。強い音を出したつもりなのにホニャホニャした音しか返ってこないとめっちゃ困ります。そういう会場だともうどうしたらいいのかわからないのでとにかく叩きまくるしかないです。だって強い音も弱い音も区別がつかないんだもん。

と思っているうちに76小節目、ここで四分休符が出てきて、四分の二拍子ですからたっぷり半小節分の間、音の余韻を聴くことができます。

音が返ってきました。澄んだ美しい響き~!このホール、めちゃ良い音する~!

この音をたっぷり聴こう~!

幸い、76小節からはスピードを上げる箇所はないので、ゆったり流します。

最後の和音、先生に何度となく直された箇所(全ての音を出しながらソプラノをしっかり出して、なおかつ弱音で弾く)もなんとなくできたような気がします。

ああー終わったーと思いつつ立ち上がって、舞台前方に出ます。

あれ、拍手がない。

うろたえながら舞台前方に出てお辞儀をするとやっと拍手が起こります。みんなお辞儀するまで待ってたのね。

軽く動揺しながら下手に下がると、スタッフの人が小さく拍手して出迎えてくれました。めちゃありがたい。

やれやれやっと終わったと思いつつ、スタッフの方にお辞儀しつつ退場。

後はやれやれやっと終わったとゆったりした気分で残りの発表会を最後まで聞きました。ヴァイオリンとかフルートがあって興味深く聞きました。みんな発表会まで頑張ったんだなーと感慨深い。

後はねー、なんかDVDで演奏記録が送られてくるらしいんですが、とても見る勇気がないです。めっちゃしっちゃかめっちゃかなんだろーなー。


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