2009年11月15日日曜日

映画「セックス・アンド・ザ・シティ」

私は映画好きということもあって、長いことWOWOWに加入してたんですけど、
熱が冷めると、観るものがなくなるんですよね。

そういう中だるみを支えてくれたのが、コメディ「フレンズ」と「セックス・アンド・ザ・シティ」でした。
どちらも英語圏で物凄くヒットしたドラマで、
特に「フレンズ」で有名になってブラッド・ピットと結婚したジェニファー・アニストン(後に離婚しましたが)の名前をお聞きになったことがある方は多いと思います。

どちらもニューヨークを舞台にしたドラマで、
「フレンズ」は20代の独身男女4人組が主人公で、4人組の中で、あるいは飛び入りゲストと恋愛を繰り返してましたが、
「セックス・アンド・ザ・シティ」は、独身30代女四人組が、恋愛を繰り返しながら、仕事と恋愛は両立できるのか、生涯独身でいられるのか、はたして結婚は絶対にしないといけないものなのか、を四人で事あるごとに話し合うという筋立てで、
当時30代だった私には(男であるという違いはあるものの)、非常に興味深い番組でした。

ところが、この番組があんまりヒットしすぎた為に、映画化されたわけですが、
これが非常に男に評判が悪いそうなのです。

まあ番組を見てない人にはこの映画だけ見ても何のことやら分からないし、普通の男は(っていうか普通の人間は)WOWOWなんか観てないから、つまんないだろうなあ、ということは見当がついたのですが、

あんまりにもくそみそにけなしている批評を見て「あれ、そんなに変なの?」と思って、DVDを買ってみてみました。

思ったとおり、映画は番組の後日談というストーリー仕立てで、
ネットの批評を見ると「番組を見てなくても楽しめる」という感想も多いのですが、
その感想の中身は「女同士の友情に感動した」というもので、

そりゃ、全然的外れです。
確かに、女同士の友情もありますけど、
今までの、

シャーロットの最初の結婚に関するあれやこれや、
シャーロットの妊娠に関するスッタモンダ、
ミランダとスティーブのあーだのこーだの、
キャリーとMr.ビッグのくっついたり離れたり、
キャリーとエイダンのあれこれ、
キャリーのマロノ・ブラニクのパンプスコレクションを見て、エイダンが何と言ったか、
キャリーと彼女のアパートのあれこれ、
シャーロットがユダヤ教に改宗するに至るまでのあれやこれやと、改宗するときのあれやこれや、
サマンサが乳ガンにかかった時のあれやこれや、
などなど、などなど、などなど、…

いや、思い出したらきりがない。

そういう沢山の積み重ねの上で、キャリーとミランダの、十年一昔みたいな愚かしい行き違いが生きてくるわけで、(あれだけ濃密につきあってても、分かり合えてないことってあるんだな…みたいな)

そういうものを延々と見てないと「ただのブランドキチガイのおばさん三人の愚かしい男こき下ろし映画」にしか見えないと思います。
あまりにも番組ファン専用内輪ネタ満載で、よくこれで新規ファンが出来たなあっていう感慨深し。

シャーロットが妊娠したと分かったときは、マジ、涙が出ましたよ。
良かったねえ、シャーロット(←フィクションに思い入れしてどうする)
でも、最初の夫と妊娠できてたら、彼と別れることもなかったのにね(←フィクションに嫌味を言ってどうする)
しかし、Mr.ビッグの人格変わりすぎ。
番組では、職業不明、正体不明、つかみどころのない天邪鬼って感じなんですが、
映画では、ひたむきにキャリーを愛していて、
ええ、そんな人でしたっけ、あなたは?って感じです。

ビジュアル的には、
豪華なウェディングドレスを着た花嫁が、抱えていた巨大な花束で花婿を引っ叩くシーンとか、
「このドラマならこんなシーンがありそう、こんなシーンを撮ってみたい、この人にこんな服を着せてみたい」と思うようなシーンが惜しげもなく繰り広げられていて、非常に見応えがあったです。
この映画のスタイリストは、この映画の為に1100着の服を用意したそうですが、それだけのことは十分にありました。なんかね、めっちゃお金がかかってるんですよ。どこもかしこにも。

この番組自身が、9.11以前のニューヨークを舞台にしていることもあって、今の元気のないアメリカに対して、「9.11以前のニューヨークってこうだったんだよ、こんなにエネルギーが満ち溢れてたんだよ」というメモリアル的な意味も含ませているのではないかと思ったり。

ところで、
この映画、続編が出来るそうなんですが、
この三人で恋愛話を引っ張るのもそろそろつらくないですか?

まあ、老人ホームで八十代の男女三人が、三角関係のもつれで殺人事件を起こしたっていう話を、何年か前に新聞で読みましたので、
幾つになっても人間は恋愛は出来るもんだとは思うんですけど。
脚本家のお手並み拝見、といったところです。

最後に。
ジョン・ガリアーノデザインのディオールのウェディングドレスが着られるなら、女に生まれても良かったな、と思わなくもなかったり。
それと、クリスチャン・ラクロワのドレス。
良かったですねえ。
見てない人はDVDを買ってみて下さい。

マノロ・ブラニクの靴の何が良いのか分からないので、私は、多分幾らお金があっても、妻の為にパンプス専用ラックを作ってあげたりはしないと思います。
(っていうか、たまに「この靴は幾らなんでもナシでしょ」っていうのがあります。Mr.ビッグと馬車に乗ってデートするときに履いてた羽根付きサンダルとか)
でも、自分が靴を買い捲る神経と同じと思えば分からなくもないので、自分のクローゼットと一緒になら作ってあげても良いかなと思います(←なんという上から目線)。

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